学芸員ブログ
令和5年度歴史文化講座「江戸時代の暮らしからエコライフ社会を考える」を開催しました!
令和5年度歴史文化講座「江戸時代の暮らしからエコライフ社会を考える」が1月28日(日)に開催されました。
令和5年度第2回目となる今回は、狭山市文化財保護審議会委員長やさやま市民大学歴史学科の講師、また、当博物館の古文書読解講座の講師をご担当くださっている髙橋光昭先生をお招きし、「江戸時代の暮らしからエコライフ社会を考える」と題し、ご講演くださいました。
江戸時代の暮らしと今は何が違うのが、「衣・食・住」のそれぞれでその違いや変化をお話いただき、今日の環境問題を考えました。
「衣」では、着物の裁断方法と今の洋服の違いや、捨てるまでに様々な用途に変容する浴衣のことなどをお話いただきました。着古した浴衣がおむつなどにも使われていたとは驚きです!
「食」では、狭山市にあった柏原村などでは米穀を農民も食していた話や、台所用品は竹や木製品がほとんどだったことなどお話がありました。確かに、今思い浮かべる台所用品はプラスチックや金属製品ばかりですね。
「住」では、窓も少なくなり、欧米風の家々が増え冷暖房設備が整っている現代と違い、ガスも電気もない江戸時代は、日本の風土や気候にあわせた設計の家屋で温度調整をしていたことなど、大まかな見取り図でご説明くださいました。
江戸時代の暮らしからは自然と共存しながら生活していた様子がわかりました。現代では何不自由なく生活できていますが、生活を便利にするための製品が溢れています。それらの中には環境問題を起因させる素材が使われているものも少なくありません。江戸時代の暮らしを見習い、自然を意識した生活を送ることを考えることができた講座となりました。