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狭山市

学芸員ブログ

20171112 投稿

黒曜石の謎

先週より開催中の『レッツキャリー展~収蔵品にみる運びもの~』
「運び」をテーマにした収蔵品を紹介する展示ですが、1番最初に紹介されているのが黒曜石です。

鉱物の標本の中によくある黒色の石。特別貴重なものには見えない黒曜石ですが、実は古代の人々の生活に「運び」が存在していたことを証明してくれています。縄文時代、黒曜石は断面が鋭いため、獲物を裂いたり、木を削るなどに使われ、広範囲の遺跡から多数出土されています。また群馬県赤城山麓の岩宿では、縄文時代よりさらに古い旧石器時代の黒曜石を使用した打製石器の石槍が発見されました。これは、紀元前二万年位前から、私達の祖先が黒曜石を自分の集落に運んでいたことになります。ところが、日本国内でも黒曜石の産地はとても限られていて、関東周辺では信州や八ヶ岳、伊豆などでしか見られません。地図や道のない地理的観念の乏しい時代に、100㎞以上も離れた場所などに誰がどうやって運んだのか…  とても謎にみちていますし、現代の私達には計り知れない古代人の知恵や力も感じられませんか?
「レッツキャリー展~収蔵品にみる運びもの~」の黒曜石をご覧いただき、古代の人々の営みに、想いを馳せてみてください。

また、実際に触って体験できるコーナーも多数ご用意しています。
大人の方もぜひ様々な「運び」を体験してみてください♪